『閉塞性』

鎖

 

錆びた心が今にも崩れ落ちそうになり

血の匂いが充満すると共に膝をつき

秋の訪れのように紅葉色の鉄粉が降る

 
腐りきった世の中が磨耗させていく

ゴミ袋を漁り今日を生きる猫背の男

隣を素通りする人間の顰めっ面は惨めだ

 
背伸びして生きる日々がそうさせたのか

それともこの世界の犠牲者だとしたら

僕もこの世界の罪深き人間の一人だ

 
身体を流れる想い出と自殺願望

錆びて老化していく心があるのならば

この想いも老化することを切に願う

 

噴き出した血液の雨が老化を促進させる

もはや心だけ崩れ落ちた入れ物同然

生きながらに心が死んでしまうこと

きっとそれが『心停止』なんだろう