『蛍火』

 

輪廻

電球が点滅している
眩さなど昔に置いていかれた
その光に吸い寄せられ
群がる虫たち

習性を利用されたことに気づかず
何が嬉しくてスポットライトを浴びるのか
そんな惨めな姿は僕も同じだ
僕も同じなんだ
4階ヘ向かう階段の途中
生と死を繰り返す電球
その光に吸い寄せられ
集まる視線

習性を利用されたことに気づかず
何が楽しくて干渉しないといけないのか
鼻で笑われているのは僕も同じだ
僕も同じなんだ
恐らくこのまま消えるまで
利用されるだけ

巡り巡って同じ景色
飛び降りるには不十分
かと言ってその先は無い

後戻りするには後悔を背負い
生きていくのにも不十分
かと言って戻る場所は無い
誰かの想い出にも
誰かの世界にも
僕が居なくなるように
そんな願いを流れ星に

いつか消える光が
僕の願いを叶える光でありますように