『エンプティー』

穴の開いた玉

カーテンの青さがやけに
物足りなさを感じさせるから
じっと見つめ私の息を止めさせた

巻き戻し 昨日までの私への罵倒
消えてしまえと明日に願って
眠りについたのに

手首を傷だらけにしてみても
私はまだ生き残っていた
それは私が歩いてきた跡
その色とカーテンの色を重ねたら
深海の色と一緒だったなんて

空も私を灰にしたいのか
呪いの呪文でも唱えたのか
理由が無いのはお互い様
無能な人間とよく似た心
連なって命を落としているよ

息を止めるとやけに
鼓動が大きくなるようで
まるで喜んでいるみたいだね

早送り 明日への私の儚き願い
いずれ死ぬならば真っ先に明日へ
向かわせてください

世界の真ん中を飛んでみても
私はまだ生き残っていた
身体中痣だらけになっていて
私がその痣を好きな理由が
深海の色と一緒だったなんて

夜陰にあるのは憂鬱さだけ
お互い見透かされた心
なのに前が見えない黒
しがみついた思い出に
どれだけ息を止めただろう

抱いてしがみついて
あなたの匂いも全て一緒に
背徳を美徳にして連れてって

幾人生がこの世界堕ちています
それを拾い集めて一つ一つ首を握って
その跡と手を繋いでいこう