『ささくれ』

幼い魔術師

絶望を与えてしまって この世に産んでしまって ごめんね

そんなことないよって僕は涙した

生まれつきの痣は愛 でも真実は幼児虐待 それを知った十八歳

僕は無能で不要な廃棄物 私欲に溺れた父の暴力

理不尽に産み落とされたと 心がささくれ立った反抗期

不幸なのは後天的 薬では治せない心の病 それを知った十八歳

過去に囚われた操り人形 心に染み付いた絶望

変わらない過去を建前に 変わろうとしなかった幾星霜

生きていけば 生きていくほど 付加価値のように 負債のように

増える闇を 増える絶望を 纏いながら 僕が作られていく

過去の捉え方が変われば あの頃の絶望は未来を照らす

絶望を与えてくれたから 絶望の延長線上に今の僕

この世に産んでくれたから 今の延長線上にはいつも

これからの僕が待っている

絶望を与えてくれて この世に産んでくれて ありがとう